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webadm | 投稿日時: 2007-11-26 3:34 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
正弦波交流回路の演習と実験 正弦波交流回路の基礎を学んだことを裏付けるために普通学校では実験を行う。
その実験というのは簡単なものでは既に学んだRC,RL,RLC直列もしくは並列回路の電流と電圧の位相差を確認するという単純なもの。これは今や回路シミュレーターやMaximaでグラフを簡単にプロットできるのでパス。 定番なのはRCかRL直列回路で電源電圧と各素子の電圧降下を測定しながら、片方の素子の定数を0から変化させていき、電源電圧と各素子の電圧をそれぞれ3辺とする直角三角形を描いていく。 可変のCやLは面倒、交流電源の周波数を変えればリアクタンスを変えることは可能だが可変周波数電源や周波数特性の良い交流電圧計を必要とする、普通は定数CかLと定周波数の交流電源に可変抵抗を用いる。 実はこの実験、学生時代に電気工学概論のカリキュラムの一環としてやった記憶が鮮明にあるのだが、電気工学概論の講義の内容はさっぱり頭に入っていなかったことは明らか。工学系の学校では機械や化学専攻でも実世界では電気ときっても切れない関係にあるので電気工学概論や通論は必修であるはず。しかし短期間に電気回路の基礎(直流からオームの法則、キルヒホッフの法則、単相交流回路、三相交流回路まで)をマスターするには無理があるような気がする。講義もかなり超特急でサマリーは教えるがその理解までは知ったことではないという感じがする。もちろん疑問を持って講師に質問すればその人だけは理解を深めることができるのには違いないが。学校が自動車教習所化している現代では、単位さえ与えればそれで十分という風潮になっているで致し方が無い。 いずれこの交流回路の実験をまたやってみようと思う。 それと著者の演習問題をさっくりこなして本格的な交流回路理論を学ぶ過程に入ろう。せっかく三角関数や微分方程式に慣れたと思ったら、今度は複素数とベクトルだけの世界なので今まで学んだ知識とは別に線形代数をやり直しである、とほほ。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 12:26 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題1:交流回路における電流と電圧の極性の意味 最初いきなり記述形式の問題である。
電気回路の参考書には沢山の回路図が現れるが、直流回路の時に電圧と電源の極性を示す→が記されていて、それが暗黙に電源のプラス極からマイナス極へ向けられていた。直流の場合はプラス極からマイナス極にしか電流が流れないのでそれは説明しなくても当たり前だった。 ところが正弦波交流回路になると電圧も正と負を交互に繰り返すし、電流も同様に電圧の極性が逆転すれば流れる電流の方向も逆転する。なので回路図に電圧と電流の方向を示す→を記すことに何の意味があるのかという問いである。 実際正弦波交流回路でもキルヒホッフの法則とかを当てはめて方程式をたてる際には、回路網の枝や閉回路を流れる電流の向きをどちらかに仮定する必要がある。同様にそれらの電流によって発生する電圧降下の極性と電源の極性もどちらかに仮定する必要がある。 回路に複数の正弦波交流電源がつながれた場合にも、それぞれの電源の極性と電源からの電流の向きもどちらかに仮定する必要がある。 そうして仮定した極性は正弦波の半周期では一致し残り半周期では逆転するが値がマイナスとして扱われるだけで式の上では極性はそのままで良いことになる。 通常は直流回路と同様に正弦波交流電源の電圧の極性とそこから流れる電流の極性を一致させることで問題無い。もし実際には負荷側から逆に電源方向に電流が流れる回路条件であっても、値がマイナスとなるだけで、予め仮定した方向とは逆方向に電流が流れることがわかる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 12:47 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題2:角速度ωと周波数の関係 次ぎの問題はわかり難い角速度ωと周波数の関係の理解を確かめるもの。
引用:
e1,e2どちらも振幅は100で同じ。角速度がω,3ωと3倍違う。問題は周波数を求めて2つの波形を描けというもの。 角速度と周波数の定義を思い出してみよう ω=2π/T f=1/T ここでTは周期[s]であり、周波数fはそのTの逆数である。 上の定義から ω=2πf ∴f=ω/2π e1,e2の周波数をそれぞれf1,f2とすると f1=ω/2π=314/2*3.14=50[Hz] f2=3ω/2π=3*314/2*3.14=150[Hz] ということになる。e1,e2をグラフに描くと。 e2の周期はe1の周期の3分の1になる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 13:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題3:位相と時間の関係 次ぎの問題は位相と時間の関係の認識を確かめる問題。
引用:
ω=2π/T=2πf なる関係から瞬時値の式は e=Em*sin(ωt+θ)=Em*sin(2πft-π/6) となる。 ここでf=60、Em=141、t=1/288を代入すると e=141*sin(2π*60*1/288-π/6) (%i1) e=141*sin(2*%pi*60*1/288-%pi/6); (%o1) e=141/sqrt(2) (%i2) float(%), numer; (%o2) e=99.7020561473032 e=99.7[V] ということになる。著者の解とちょっと違うが、著者はsqrt(2)=1.41として計算してe=100という解を得ている。 tが0から1/288までの瞬時値のグラフを描いてみると wxplot2d([141*sin(120*%pi*t-%pi/6)], [t,0,1/288])$ 1/288では約100に達しているのがわかる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 13:19 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題4:位相と時間の関係(その2) 次ぎも位相と時間の関係の問題。
引用: t=3[ms]で最大値5[V]に達する60[Hz]の正弦波電圧eを時間関数で表現せよ。 とどのつまり初期位相がわかっていないのでそれを求めよというもの。 瞬時値の式を e=Em*sin(ωt+θ) とすると、θは θ=arcsin(e/Em)-ωt と表される。 Em=5、e=5、ω=2π*60、t=3/1000とわかっているので代入すると θ=arcsin(5/5)-2*π*60*3/1000 (%i5) asin(5/5)-2*%pi*60*3/1000; (%o5) (7*%pi)/50 θ=7π/50 従って e=5*sin(ωt+7π/50)=141*sin(2*π*60*t+7*π/50) (%i9) e=5*sin(2*%pi*60*t+7*%pi/50); (%o9) e=5*sin(120*%pi*t+(7*%pi)/50) (%i10) float(%), numer; (%o10) e=5.0*sin(376.9911184307752*t+0.43982297150257) ∴e=5*sin(377t+0.44) と表すことができる。 これは著者の解とは有効数字やθの単位とかが異なるが等価である。著者の場合376.9t+25.2°とラジアンと度とで異なる単位を混用している。本来はラジアンに統一すべきだろう。 グラフで描くと確かにt=3/1000で5Vに達していることがわかる。 wxplot2d([5*sin(377*t+0.44)], [t,0,1/60])$ |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 13:38 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題5:時間と瞬時値の関係 今度は時間と瞬時値の関係の問題。
引用: 次式で示される正弦波電流の瞬時値が1.5[A]となるのは、この電流が0となる時間から何秒後か、ただし周波数は60[Hz]である。 今度は電圧ではなく電流の式になっただけでやり方は前の問題と同様で、位相ではなく時間tを求めるもの。 示された電流の式からtは t=arcsin(i/3)/ω と表すことができる。i=1.5、ω=2π*60を代入すると t=arcsin(1.5/3)/2π*60 (%i17) t=asin(1.5/3)/(2*%pi*60); (%o17) t=0.0043633231299858/%pi (%i18) float(%), numer; (%o18) t=0.0013888888888889 t=0.00139 [s] ということになる。 グラフで確かめてみるとt=0.00139でi=1.5に成っているのを確認できる。 wxplot2d([3*sin(120*%pi*t)], [t,0,0.00139])$ |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 14:08 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題6:時間と瞬時値とその傾きの関係 今度は瞬時値の傾きの関係が加わった問題。
引用: 最大値100[V]、周波数50[Hz]、t=0における瞬時値50[V]で、そのときde/dt>0である正弦波電圧eを図示せよ、またde/dt<0の場合はどうなるか。 t=0の時に瞬時値の傾きがde/dt>0ということは位相が4現象の右半分であることを意味する。 以下の式が成り立つ e=100*sin(2π*50*t+θ) t=0でe=50であるので 50=100*sin(θ) 従ってθは θ=arcsin(50/100) (%i23) s=asin(50/100); (%o23) s=%pi/6 ∴θ=π/6 従って (%i26) e=100*sin(2*%pi*50*t+%pi/6); (%o26) e=100*sin(100*%pi*t+%pi/6) (%i27) float(%), numer; (%o27) e=100.0*sin(314.1592653589793*t+0.5235987755983) ∴e=100*sin(314*t+0.524) また傾きがマイナスである場合には、逆に位相が4現象の左半分であることを意味する。 従って θ=π-π/6=5π/6 (%i30) e=100*sin(2*%pi*50*t+5*%pi/6); (%o30) e=100*sin(100*%pi*t+(5*%pi)/6) (%i31) float(%), numer; (%o31) e=100.0*sin(314.1592653589793*t+2.617993877991494) ∴e=100*sin(314*t+2.62) 2つの波形をグラフに描くと plot2d([100*sin(314*t+0.524),100*sin(314*t+2.62)],[t,0,1/50]); 確かにt=0で瞬時値は同じ50[V]で傾きが+と-であることが確認できる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 14:25 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題7:位相差 今度は同一角速度で異なる初期位相を持つ2つの正弦波の位相差を求める問題。
引用: 次ぎの電圧、電流間の位相差はいくらか。 同一角速度で初期位相の異なる2つの正弦波の位相差Δθを以下の様に定義する sin(ωt+θ1), sin(ωt+θ2) Δθ=|θ1-θ2| (1)の場合は、 Δθ=|π/3-(-π/4)|=|π/3+π/4|=|(4π+3π)/12|=7π/12 (2)の場合は電流がcosなのでsinに変換すると e2=50sin(ωt+π/6), i2=30sin(ωt+π/2-π/3) 従って Δθ=|π/6-(π/2-π/3)|=|π/6-((3π-2π)/6)|=|π/6-π/6|=0 (3)の場合、 Δθ=|-π/3-(-π/4)|=|-π/3+π/4|=|(3π-4π)/12|=|-π/12|=π/12 ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 14:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題8:位相差と時間の関係 今度は位相差を時間に変換する問題
引用: 周波数60[Hz]の正弦波交流において、位相差π/6[rad]は何秒の時間差か。 時間と位相θの関係を式で表すと θ=2πft 従ってtは t=θ/2πf で表すことができる、θ=π/6、f=60が与えられると t=(π/6)/2π60=1/2*6*60=1/720=0.00139 [s] ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-11-30 14:42 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題9:位相差と時間の関係(その2) 少しひねった位相差と時間の関係の問題
引用: e=Em*cos(100πt-π/3) [V]とi=Im*sin(100πt+π/4) [A]との位相差φを求めよ。またこれは時間で表すと何秒か。 電圧の式がcosなのでsinに直すと e=Em*sin(100πt+π/2-π/3) 従って位相差は φ=|(π/2-π/3)-π/4|=|(3π-2π)/6-π/4|=|π/6-π/4|=|(4π-6π)/24| =|2π/24|=π/12 φ=ωt なので t=φ/ω 従って、φ=π/12、ω=100πを代入すると t=(π/12)/100π=1/12*100=1/1200=8.33*10^-4 [s] ということになる。 |
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