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webadm | 投稿日時: 2009-12-28 23:05 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
一端子対回路:演習問題 理論に二ヶ月も時間をかけてみっちりやったので、遅くなってしまったが演習問題に取りかかることにする。だいぶ理論の時に深入りしすぎたためか演習問題がちょっと温く感じられなくもない。
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webadm | 投稿日時: 2010-1-1 20:59 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【1】複素周波数の意味 最初の問題が一番難しいかもしれない。というのも今日出版されているほとんどの参考書がsで表記される複素周波数を脈略もなく登場させている。その意味の理解と説明はラプラス変換でということらしいが、ラプラス変換の参考書もページ数をそんなことに費やしたくないので説明を割愛するものが多いためだ。
複素周波数の由来や概念についてページ数を割いているのは複素周波数を使っていくつかの領域の理論が再構成された第二次世界大戦の時期である。この頃に執筆された参考書にはそれが書かれている。インターネットで検索してもさすがにそんな古い情報は載っていないので見つかることは出来ないだろう。 これまで交流回路理論で交流信号を表すのにフェーザー法やベクトル記号法、指数表記など学んで来たが、この期に及んで更に複素周波数というのを詰め込まれると電気工学の大系はどうなっているのだという疑問が生じる。およそ電気工学といっても歴史的には様々の領域が時間順序の関係なく研究し発展してきたものが近代になって様々な大学や学会組織によって再構成されたものに過ぎないので最初から順序だてて開発されたものではないことと追認識すべきである。 任意の回路網の解析をする上で歴史的に最初に挑まなければならなかった問題は物理学と同様に微分方程式の解法であった。これについては以前に簡単な低次の線形微分方程式の解法については学んだが任意の回路網になると高次の微分方程式を解く必要が生じる。高次の微分方程式を解くために今日教えられているLaplace変換は複素周波数(s)を変数とする周波数領域の関数と時間(t)を変数とする時間領域の関数が複素積分によって一対一に変換できるという数学的に裏付けられた性質を有する。 一方既に複素周波数ありきで一端子対回路の駆動点インピーダンスが複素周波数を変数とする有理形関数で表されることを学んだ。LC一端子対回路では一対以上の複素共役根から成る零点もしくは極を持ち、RL及びRC回路では負の実数のみ零点もしくは極を持つことを学んだ。これの意味を理解することは突き詰めると複素周波数の意味を理解することと同意である。 数学的には複素周波数は複素数に過ぎず今日では統一して以下の様に表される これは数学的な意味では複素数以上でも以下でもない。自明なので議論の必要がないが、物理的にどういう意味があるかという点は数学者には無関係なので工学者が独自に解釈をする必要がある。 複素周波数が回路解析に用いられるようになった歴史的な経緯を追体験してみよう。 時代は電信技術が発明されて大陸間を海底ケーブルで結んだ頃にさかのぼる。大陸間という長距離のケーブルでは送信端で直流電流を断続させても受信端負荷に流れる電流は直流とならず波の様にうねってあげくの果て波打った電流が流れる始末(交流成分が生じる)。その理由は長らく謎だった。海底ケーブル開発に関わった権威者であるW. Thomson(Kelvin卿)はその使えない理由を自らの得意とする熱拡方程式を適用し、ケーブルが微少な導体の抵抗Rと絶縁体のキャパシタンスCの分布定数回路であるとしてこじつけた。この発案は画期的だが電流が波打つことを説明することができないものの権威者にケチは付けられないのでまことしやかに海底ケーブルは技術的に失敗だという理由になりかけていた。Maxwellの大著に出会って電信技師の仕事を辞め実家に引き籠もって研究していた26歳無職のHeavisideが立て続けに出した3つの論文はThomsonのRC分布定数回路に着想を得てインダクタンスを含めたRLC分布定数回路に拡張し独自の微分方程式解法である演算子法と展開定理を用いて見事に現象を説明するものだった。 実は複素周波数は以前に交流回路でやった微分方程式を解く際に現れるのだが、交流回路理論では与えられた微分方程式を満たす定常状態(steady state)の解のみに着目しそれ以外の解の存在については関心を払わなかったことを思い出して欲しい。 Heavisideが電信方程式に関する3つの論文を発表する前に最初に簡単なホイットストーンブリッジ回路に関する論文を出している。その論文はJ. C. Maxwellの目にとまり論文の要旨をメモしたものが彼の没後に発見された。 Heavisideは予めMaxwellやThomsonが発表していたRLC回路の微分方程式による解析に関する論文を見ていたので、長年現場で慣れ親しんで来た通信ケーブルの時間領域の応答の問題に適用する絶好の機会だった。Heavisideの3つの論文は伝送路の応答解析に今日Heavisid関数と呼ばれるステップ入力関数を使用する。これは電信キーをOFFからONにするという電信技師なら誰でも知っている電信ケーブルに当たり前に発生する条件である。Heavisideは一人その当たり前だが誰もが解析できなかったその問題に取り組んだ。しかし今日では単位ステップ入力関数はデルタ関数の積分関数として表されるが、当時はやっとFourier級数が知られていた程度で彼の論文もその根拠を与えるために級数が多用され表現が難解なものとなったのは致し方無い。今日我々はHeavisideの基本的なアイデアを現代的に再構成した形で教えられている。上巻の最後でFourier級数を学んだが単位ステップ入力関数をFourier解析したらどうなるか考えればHeavisideの苦労の一端が判るかもしれない。 Heavisideの難解な表現ではなく、現代的に再構成したやり方で複素周波数のルーツを確認してみよう。 電信技師達の誰もが知っていながら誰も解こうとしなかった電信ケーブルの信号が波打つ挙動がケーブルに一様に分布するインダクタンスによるものだということを示すためにHeavisideは以下のような回路モデルを使用した。 Heavisideは電信ケーブルの受信端を短絡し送信端に電池を接続して流れる電流が安定する定常状態になるのを待って、スイッチを電源から切り離し送信端を電流計に切り替えた場合に放電電流が時間とともにどのように変化するかi(t)の解を求めることから始めている。これは今まで学んだ一端子対回路そのものであることに注目しよう。最初に放電しきった状態の伝送路に電圧を加える今日教えられるのとは違っているので奇異に思うかもしれない。Heavisideは数学的に解析が易しい放電時のケースから始め、次ぎに充電時のケースを解いている。個人的には今日的な教え方よりもHeavisideがやった順番の方が回路網解析の深い理解につながるような気がするので取り上げた次第である。後に過渡応答解析を学ぶことになるが、今日的に再構成されてスマートになりすぎていて回路網理論の核心の理解から返って遠ざけているように思える。 電信方程式のモデルによる解析は後の分布定数回路に譲るとして、ここでは最も簡単な一端子対回路を用いてHeavisideの研究を追体験してみよう。 伝送路が単純なRL直列回路とみなして受信端を短絡し送信端に最初スイッチを1(電圧V)側に倒しておいて、t=0の時点でスイッチを2へ切り替えたら回路を駆動点に流れる電流iはどうなるか? t=0の時点で駆動点の電圧は0なのでキルヒホッフの法則で以下の回路方程式が成り立つはずである。 これは数学で言うところの一次の齋次線形微分方程式(homogeneous first-order differential equation)である。これは比較的容易に解を求めることができるのでHeavisideもそうしたのだろう。当時のやり方で解いてみよう。 L,Rは正の実定数で変数を分離して扱えるものとみなせば上の式は以下の様に変形することができる 両辺を積分すると lnは自然対数であり、右辺も同様に自然対数で表すと ここで対数の性質 を利用して右辺を書き換えると 対数表記を逆変換すると ということになる。 ここでkはt=0の初期条件から と求めることができる。従って最終的な解は ということになる。 Heavisideは次ぎにスイッチを2から1に切り替えることによってステップ入力時の応答を解析した。 このケースでも同様にキルヒホッフの法則によって以下の回路方程式が成り立つ これは両辺をLで割ると以下のような非齋次微分方程式として表すことができる これを当時解くのは大変だったに違いない。P=R/L,Q=V/Lと置き換えると ここでは当面齋次方程式ということで右辺のQはtの関数であるということにしよう。回路ではVとLは定数だが、Vを関数v(t)と見なせばQがtの関数であるということになる。 放電の時のケースとは逆に両辺にe^Ptを乗じる よく見ると左辺は以下の微分の公式を使って書き換えることができるのがわかる f(x)=i,g(x)=e^Ptと置き換えれば であるので先の齋次微分方程式は そこで両辺をtで積分すると 従って一般解は両辺をe^Ptで割ると 従ってPとQをそれぞれ元に戻すと ということになる。右辺の第一項の積分を求めると 積分係数Kはt=0の時の初期条件i(0)=0より ということになり整理すると ということになる。よく見ると電流の描くカーブは放電の時と向きが正反対であることがわかる。 Heavisideはこうしたスイッチの切り替えに応じた入力信号を関数で表すために論文でFourier級数と線形回路の重ね合わせを利用したため当時一般には理解しがたい程難読なものとなってしまった。19世紀は解析学が数学の最先端だった時期でもあり、当時の学者でも今のように解析学を熟知している人は少なかった。Einsteinが一般相対性理論を発表した時にRiemann幾何学を知る人が少なかったため論文を理解できる人は世界に数える程しか居ないと言われたのと同じである。Heavisideは論文を平易に書き直してくれという周囲の要望にまったく応えることをしなかったため偉業が非難の嵐の中に生涯埋もれる結果となったのは不幸なことである。 それではVがtの関数である場合に、上巻で既に学んだFourier級数と線形回路の重ね合わせの理を使って考えてみよう。 しかしいざやってみようとすると想像以上に困難を伴うことが判明する。誰も必要としていないのにHeavisideは一人この困難な問題に立ち向かったのは何故なのだろうか、なんらかの情念としか言いようがない。そう思うと益々追求してみたくなる。 19世紀末にはまだ一般的な齋次微分方程式の解法が知られていなかったので独学ではかなりの苦労があったと想像される。今日我々は一次の齋次微分方程式については以下の公式の存在を知っているのでそれを使うことにしよう。 RL一端子対回路のステップ入力に関する微分方程式を今日の単位ステップ関数u(t)を使用して表すと 公式を適用して解くと 同様にt=0の初期条件i(0)=0より定数Cは 従って前に求めたやり方と同じ解が得られる なんだか寄り道をしてしまった感があるが、今度はキャパシタンスを追加した回路を解析してみよう。 ![]() いきなり解析が難しくなった感がある。とりあえずキルヒホッフの法則により微分方程式を立てると どうやって解くんだこれ。 第一式をtで二回微分してd^2i/dt^2について解くと 第二式をdi1/dtについて解くと これを前の式に代入すると これを整理すると これは二階の非齋次線形微分方程式である。Heavisideが実際に解析を挑んだのはこれの有限ラダー回路(分布定数回路)でしかも電流が位置と時間の二変数関数であるので更に高次の偏微分方程式となり解を求めるのは複雑極まりないことから、高次の微分方程式を簡単に解く方法を見いださなければならない必然性があった。そこに演算子法と展開定理を生み出した背景があるのは疑いない。 二階の非齋次線形微分方程式の解は、特殊解と右辺を0とした非齋次微分方程式の一般解からなる。定常解はt=∞で収束するi=V/Rで 過渡解は右辺を0とした時の特性方程式の根 によって決まり、特性方程式が二次の方程式のため根は2つの実数か2つの共役複素数のいずれかとなる。根が実数根になるのは の場合であり、そうでなければ根は複素数となる。根が複素数の場合 K1,K2は境界条件t=0とt=∞でそれぞれi=0,i=V/Rであることから 従って解は これをV=1,R=1,C=1uF,L=100nHと置いてプロットしてみると wxplot2d([1-%e^(-500000*t)*cos(500000*sqrt(39)*t)], [t,0,0.00001])$ ![]() 立ち上がり直後に定常電流を超える電流が流れることがわかる。 Heavisideは論文でこのピーク電流の値を得る式を示しているが、分布定数回路のそれは複雑で論文の読者をうんざりさせたことは想像に難くない。それが元で以来「数学の化け物」と呼ばれた。 話をもとに戻すと振動の周期は約2usec程度。同じ定数で回路シュミレーターでも見てみよう。 回路シミュレーターの癖で立ち上がり部分がちょっと不連続になっているが振動周期は約2usecと同じで傾向は一致しているので合っているだろう。 ということになる。ここで虚数部が消失する境界条件を満たす抵抗Rの値をRcrとすると ということになる。Rcrは抵抗値なので正の値のみをとる。 同様にRの値にこの条件を満たす値を設定してプロットし直してみよう。 wxplot2d([6.25-%e^(-3125000.0*t)*cos(484122.9182759271*t)], [t,0,10^-5])$ ![]() 今度はかなりダンピングがかかって振動は消失しているのがわかる。plotにバグがあってきっちり0.158Ωを指定してプロットするとカーブが現れないので仕方なく0.16Ωを指定している。同様に回路シミュレーターでやってみると 回路シミュレーターだと相変わらず立ち上がり直後に不連続点が現れるが傾向は合っている。 ここでRとRcrの比を新たにダンピング比ζとして定義すると 更に非ダンピング角周波数ωnを以下の様に定義すると 先の二階微分方程式の係数はそれぞれ以下の様に書き換えることができる 特性方程式とその根は 従って根は以下の3ケースに分かれる ケース1:ζ>1の時、根は実数(過減衰:over damping) ケース2:ζ=1の時、根は実数で重根 (臨界減衰: critical damping) ケース3:ζ<1の時、根は複素数で共役対 (振動減衰:under damping) ζは0から∞までの値を取り得る。 ケース1:ζ>1の場合の一般解は 定数K1,K2,K3,K4はt=0とt=∞の境界条件i(0)=0,i(∞)=V/Rによって 従って ということになる。 ケース2:ζ=1の場合の一般解はケース1の解にζ=1を代入すれば良いので ということになる。 ケース3:ζ<1の場合、ζ^2-1は負の値を取るので ということになる。 ここまで来れば賢明な読者には明白であろう。 と定義すればすべてのケースの一般解はすべて以下の式で共通に表すことができる。 なんだそういうことだったのか(´∀` ) この回路を一端子対回路で学んだ駆動点インピーダンス式で表すと ということになる。この回路はs^2=-ωn^2に極を持ち、s=-ζωn±jωn√1-ζ^2に零点を持つことがわかる。零点は複素平面の左半分上に、極は虚軸上のみに存在する。過渡応答解析からそれらの物理的な意味を知ることができる。数学の複素解析が物理的意味を持った瞬間である。 これで良く意味が判らなかったRL一端子対回路やRC一端子対回路の零点の意味がわかった。今まで長いこと定常解だけを扱ってきたので過渡解のことはすっかり考えも及ばなかったわけである。複素周波数を用いるとそのどちらも包含して扱うことができるというわけである。 一端子対回路が授業では割愛される傾向があるのは、最初の複素周波数の概念を理解するのに別の講義で教える予定の過渡応答解析の話を持ち出さなければならないので一時限の時間内では説明しきれないのと、複素解析の前提知識を要するので受講生がついていけないからかもしれない。時限数が限られた学校の授業ではなく独学であれば過渡応答解析も回路網理論も一緒につなげて学ぶことができる。本来はそうあるべきなのだが。そういう意味では現代人よりも19世紀の頃の方が沢山の時間があったのかもしれない。便利になってお金があっても時間が少なくなっているのは皮肉だ。 19世紀に誰もやらない分布定数回路の過渡応答解析に独学で挑戦したHeavisideには頭が下がる。Heavisideは電気理論に複素数を使うことを推奨していたので、それを歴史的に成し遂げたSteinmetzを称賛した。逆にHeavisideを称賛する学者も少なからず同時代に居たらしく、中でも分布定数回路の過渡応答解析を機械的に行う装置を開発したKarapetoffというコーネル大学のが居て、その装置はHeavisideの名前を勝手にとって"Heavisidion"と名付けた。彼は今回参考にしたM. E. Van Valkenburgの"Network Analysis"に伝えられるような"practical man"としてHeavisideを称賛した張本人である。また折に触れてHeavisideのエピソードを紹介しようと思う。 (終わり) |
webadm | 投稿日時: 2010-1-8 11:16 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【2】インピーダンス関数 以下の回路のインピーダンス関数を求め、いずれも分母と分子の最高次数の差が1以下であることを確かめよという問題。
(1)RLC直列回路 (2)RC直列回路 (3)RLC並列回路 RLC直列回路の駆動点インピーダンス関数は 従って分母の次数が1で分子の次数が2であるので差は1以下である。 RC直列回路の駆動点インピーダンス関数は 従って分母の次数が1で分子の次数が1であるので差は1以下である。 RLC並列回路の駆動点インピーダンス関数は 従って分母の次数が2で分子の次数が1であるので差は1以下である。 |
webadm | 投稿日時: 2010-1-8 11:24 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【3】インピーダンス関数に対する一端子対回路 次ぎは以下のインピーダンス関数に対する一端子対回路を求めよという問題
問題文では特別どの展開法を使えという指示が無いが著者はFoster展開を用いている。へそ曲がりで著者と違うCauer展開をしてみよう。 二素子だけなのでFoster展開と結局同じ結果になる。 ということになる。Cauer展開を使ってもFoster展開と同じ結果になるのは最高次数が高々2であるためである。もっと高次になればラダー構成を取ることができる。 |
webadm | 投稿日時: 2010-1-8 21:05 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【4】一端子対回路のインピーダンス関数 次ぎの問題は前問の逆。与えられた一端子対回路に対するインピーダンス関数を求め、その零点と極の位置をs平面上で示し、いずれも右半面内には現れないことを確かめよというもの。
(1)RC直列回路 従ってs=0に極、s=-1/RCに零点を持つことになる。s平面上に示すと 零点、極ともに実軸上で右半面には現れない。 (2)RL直列回路 従って、s=-R/Lに零点、|s|=∞に極を持つことになる。まてよ|s|=∞が極ならばs平面の右半面にも極を持ち得るということになってしまう。 色々な国内の参考書を見てもこの点だけはどれも華麗にスルーしている。 以前にリアクタンス関数で|s|=∞に零点を持つ場合に分子の当該項を取り除いたしたのと同じということを思い出した。同様に|s|=∞に極を持つ場合には分母の当該項を取り除いたのと一緒である。すなわち インピーダンス関数が正実関数であるためには、s平面上の虚軸を除く右半面に極をもってはならない(右半面で正則でなければならない)ためs∞は必然的に虚軸を含む右半面の無限遠点ということになる。s平面上で無限遠点を示すと平面の無限遠点上に無数に存在することになってしまうが、Riemann数球面上で無限遠点は球の頂点の近傍の一点で表される。Riemann数球面はちょうどs平面の原点の上に円球を置いて、無限に広がるs平面上のすべての点を熱収縮シートのように球面を包み込むように写像したものである。そうするとs平面上の無限円転は円球の頂点にすべて集まる。ちょうど南極を中心に地球の球面を平面上に写像したメルカトル図法の地図の北極点と同じである。 (3)LC直列回路 従ってs^2=-1/LCに零点をs=0に極を持つ。 (4)RL並列回路 従ってs=0に零点を、s=-R/Lに極を持つ。 (5)RC並列回路 従って|s|=∞に零点、s=-1/RCに極を持つ。 (6)RLC直列回路 s=0に極を持ち、零点は3つのケースがあり ケース1:ζ>1の場合、零点は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、零点は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、零点は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (7)RLC並列回路 これはRLC直列回路と逆にs=0に零点、極は3つのケースあり ケース1:ζ>1の場合、極は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、極は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、極は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (8)RL直列とRC直列の並列回路 従ってs=0と|s|=∞は共に零点でも極でもなく、s=-1/R2C,-R1/Lを零点として持つ。 極はやはり3つのケースにわかれ ケース1:ζ>1の場合、極は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、極は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、極は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (9)LC直列とLC並列の直列回路 これはリアクタンス関数なので零点と極は虚軸上にのみ交互に現れる。s=0とs^2=-1/L2C2、それに|s|=∞に極を持つ。 零点はs^2=-ωn(ζ±√(ζ^2-1))。ζ>√(ζ^2-1)>0なのでωn(ζ±√(ζ^2-1))が常に正の実数であるため零点は常に虚軸上に現れる。 ということになる。 (10)LC直列の並列回路 これはリアクタンス関数で、s^2=-1/L1C1,-1/L2C2に零点を持ち、s^2=-(C1+C2)/C1C2(L1+L2)に極を持つ。s=0と|s|=∞は共に極である。零点と極はいずれも虚軸上に交互に現れる。 P.S (9)が一番面倒かもしれない。リアクタンス関数なので係数項はすべて正の実数になるのだが式の見た目では負の値を取り得る形式をしているので本当に正の実数なのか確認する必要があった。 (終わり) |
webadm | 投稿日時: 2010-1-9 20:37 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【5】インピーダンス関数の零点及び極と留数 以下の一端子対回路のインピーダンス関数および零点と極を求め、極に対する留数を示せというもの。
(1)LC直列とLC並列の直列回路 インピーダンス関数は 従って零点はs^2=-s1^2,-s3^2にあり ということになる。 極はs^2=0,-s2^2,∞の場合で ということになる。 極に関する留数は 以前にFoster展開を学んだ際にh2kが留数の場合 という展開で表されることを思い出して欲しい。本来は共役複素数を根とした部分分数に更に分解できるが、留数はどちらも正の実数で同じ値になることから留数を二倍したものを分子の定係数としていたのである。 (2)LC並列の直列回路 インピーダンス関数は 従って零点はs^2=0,-s3^2,∞にあり ということになる。 極はs^2=-s2^2,-s4^2の場合で ということになる。 極に関する留数は ということになる。 (3)LCラダー回路 インピーダンス関数は 従って零点はs^2=-s1^2,-s3^2にあり ということになる。 極はs^2=0,-s2^2,∞の場合で ということになる。 極に関する留数は ということになる。 (4)RCラダー回路 インピーダンス関数は 従って零点はs=-s1,-s3,∞にあり ということになる。 極はs=0,-s2,-s4の場合で ということになる。 極に関する留数は ということになる。 (終わり) P.S Maximaの部分分数展開機能を使用するとたちどころに零点や極それに留数が判る式を得ることができる。しかしそれだからといって理解しなくてもいいということにはならない。 とりあえずどんな複雑なラダー回路でも完璧ではないが有る程度まで分解してくれるので後の計算は楽になる。 いろいろ手で計算してみると有理形関数はその表記方法が変わっても同じ関数を表していることは変わりないことが良くわかる。関数の性質を決定する共通のものは特異点(零点と極)それに留数だけである。今まで学んだ理論と対比させることができるように有理式に書き直したが著者の解のように必ずしもそうする必要はない。むしろそうしないほうが紙面の節約になったりする。 連分数式はべき級数表記ではないので数式処理ソフトもべき級数式への変換はしてくれるが、その逆はお手上げのようである。ヒューリスティックに人間がやるようなアルゴリズムをプログラム化しても良いのかもしれないが、それにせよ間違った結果が出ないようにちゃんとした数理的な裏付けが必要である。その数理的な裏付けを探ろうとする個人的な試みは頓挫してしまったが読者の課題としてもよいかもしれない(´∀` ) |
webadm | 投稿日時: 2010-1-10 20:46 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【6】正実関数、インピーダンス関数、アドミッタンス関数 以下に示す関数が正実関数かどうか判定し、そうであればインピーダンス関数(Z(s))およびアドミッタンス関数(Y(s))として回路合成せよという問題。
正実関数はs=σ+jωの有理関数でRe(s)≧0の時Re(Z(s))≧0で、s平面の右半面では正則(極を持たない)という性質をもつ。それ以外に厳密には、 ・虚軸上でRe(Z(s))≧0 ・虚軸上の零点は一位で、微係数が正 ・虚軸上の極は一意で、その留数が正の実数 という条件を満たしている必要がある。 s平面の右半面では正則(極を持たない)という判定は本によってはHurwitzという名前を挙げてその多項式の安定判定(t→∞で過渡項がすべて0になるので系は安定する意味)を紹介しているものがある。A. Hurwitzは戦前のドイツの数学者で複素関数論(特に楕円関数)の著書で有名である。今だにドイツでは増刷されて読まれている。戦前にドイツで出版されたHuriwitzの楕円関数に関する著書も収められた複素解析の古本が何故か手元に一冊あるが、果たしてHurwitz判定がどこに記されているか未だ発見できない。もしかしたら別の論文なのかもしれない。 Hurwitzの判定法は、有理関数の分母の多項式の根がすべてs平面の虚軸を含む左半面にある場合、その多項式はHurwitz多項式と呼びその微分方程式の解は安定であるというものである。これは右半面に極を持たないのと同値である。また分母の多項式がHurwitz多項式であったとしてもRe(s)≧0でRe(Z(s))≧0を満たすとは限らない(分子の多項式に依存する)ので、あくまで正実関数であればその分母の多項式はHurwitz安定条件を満たすという意味である。 これは一見すると極がs^2=-1にあるので、すべて虚軸上にのみ存在しそれ以外では正則であるので正実関数の条件を満たす様にみえるが。分母の次数と分子の次数の差が1を超えている点で怪しい。最初からひっかけ問題である。 これを更に部分分数展開すると やはり極が虚軸上にあっても、留数が正の実数ではないので正実関数ではない。 これも極は負の実数なので右半面で正則である条件は満たすが、分子の多項式に負の定数項が出てくる時点で受動素子回路としてはあり得ない。 Maximaを使って部分分数に展開すると 見事に負の留数を持つことが判明しアウト。 今度は分子も分母も定数はすべて正の実数であるようにして出直してきたみたいに見えるが、部分分数展開してみると ということで極は左半面だが留数が正の実数でないのと、それ以外の項にも負の定数(負性抵抗)があるので受動素子回路として合成できないためアウト。 これはまともそうだ。Maximaで部分分数に展開すると s=0にのみ極を持ち留数も正の実数(1/2)であることから正実関数である。これをインピーダンス関数、アドミッタンス関数として回路合成すると ということになる。 一見すると負の留数を伴っているように見えるので即アウトと宣告したくなるが、極は負の実軸上にあるので必ずしも留数が正の実数である必要は無い。 この式を多項式に展開すると 割とまともな関数である。零点と極がいずれも負の実軸上にのみ存在する。 しかしFoster展開しようとすると負の項が出てしまう。 それではCauer展開をやってみよう。 著者の解とはまるっきり違うがこれも解である。2つの回路は互いに双対であるのが見てとれる。Foster展開は一意的に回路が決まらないという事実を知って驚いた。Cauer展開は式が決まれば回路は一対一で決まる。自分で数理的に裏付けたわけではないがなんとなくそう予想する。 これもまともそうである。 Maximaで部分分数展開してみると 留数もすべて正の実数なのでよしと。これはそのままFoster展開で合成でき ということになる。 これもまともそうに見えるがMaximaで部分分数展開すると 重根を持つ上にまたしても負の留数を持つ。極が負の実軸上なので問題ないのだがFoster展開ではそのまま合成できない。 悔しいことにCauer展開を試みるも途中で負の定数項が現れて失敗している。ということは先のCauer展開に関する予想は外れたということを意味する、(;つД`)どちらもリアクタンス関数に限定しての話だったし。というのも問題の関数はリアクタンス関数ではないということは負の実軸上に極を持つことから損失のある回路であることから自明だった。 それではどういう回路がこうした関数を持つのかということを考える必要がある。今まで学んだ一端子対回路では極が重根を持つことはなかった。重根を持つことの物理的な意味は、一つの回路の極が直列もしくは並列に接続された別の回路の極と一致しているということでしかあり得ない。すなわち2つ以上の一端子対回路が直列もしくは並列に接続される場合に一方の極が他方の極を隠すということになる。今回のケースでは負の実軸上に重複した極があるので、同じ時定数を持つ2つの一端子対回路が並列もしくは直列接続されていると考えるべきである。 同一の極を持つ2つの異なる一端子対回路のインピーダンス関数Z1(s),Z2(s)のそれぞれの分子の多項式をN1(s),N2(s)とし、共通の分母の多項式をD(s)とすると、直列に接続された場合の合成関数は ということになり、そのまま共通する極を受け継ぐことになるが重根にはならない。 一方並列に接続した場合には という具合に元の極も受け継ぐが、それ以外にも新たな極を持つことになる。逆に並列に接続されたインピーダンスが共通の零点を持つ場合には零点は重根になる可能性を持っている。 そうすると4つの相異なる一端子対回路を二組並列にそしてそれらを直列に接続した場合の合成インピーダンス関数を考えると 題意にあるような単一極(重根)を持つには これを代入すると 従って を満たすD1,D2,D3,D4,N1,N2,N3,N4を求めればいんだが、どうすんだこれ。無数の解が考えられるんだけど、その中で回路的に実現可能なのは限られているはず。それぞれの多項式はすべて整式で係数は正の実数でなければならない。わかんね(;´Д`) これは一体どういう回路の問題かというのを考えてみると。 最初左にあるように並列回路が2つ直列に接続された形が思い浮かぶけど、すぐに右の格子状回路の出力端が短絡された二端子対回路だということに気づく。一端子対回路はN端子対回路の1ポートを除いて他の端子対を短絡した回路であるので、二端子対回路の出力ポートを短絡すれば、一端子対回路になるわけである。こうした格子状回路はLattice Networkと呼ばれ、次ぎに学ぶ二端子回路理論に登場する。 しかし二端子対回路の出力端をショートした状態での入力端の駆動点インピーダンスの式からどうやってそれを構成するすべての一端子対回路を解くことが出来るのだろううか。 著者の解ではどうやって求めたか謎だがインピーダンスの式を2つの部分分数に分離して、それぞれ展開している。どう分割するかを決める方法を知らない限り、この回答は式が変わった瞬間に役に立たなくなる。分割してからの式の展開はどうでもよい。どのようにやって2つに分割するかが問題である。 ここで次ぎに学ぶ二端子対回路理論に先駆ける命題にぶつかることになる。二端子対回路をブラックボックスとして、それを2つの端子対の駆動点インピーダンスから内部の構成を知ることができるのか?という命題である。結論的に言えば、それはできないということが言えよう。しかし内部をブラックボックスにしたままでも二端子対回路の振る舞いを決定する方程式を得ることは出来る。それが後に学ぶ4つの二端子対パラメータと呼ばれる要素で構成される様々な行列である。 今回の問題では出力端をショートした時の情報しか無いので、それらのパラメータを決定するにも出力端をオープンした時の情報を必要とする。いずれにせよ情報が半分足らないのである。最初の解析では8つの未知数に対して方程式は半分の4つしか立てられない。Lattice Networkだと仮定した場合でも4つの未知数に対して方程式は2つしか得られていない。これでは解けない。未知数の数分だけ独立した方程式が無ければ未知数をすべて解くことはできないように、二端子対回路パラメータは高々4つに限定されることになる。4つ判れば入力と出力の関係は決定されるので、それ以上内部の構造を知る必要が無くなるということになる。逆に言えばパラメータさえ判ってしまえば内部の詳細回路が異なっていても回路的にはすべて等価であるということである。しかしこのことは回路設計の観点からすればパラメータが決定してもそこから回路を自動合成する代数的な公式は存在しないという驚愕の事実を突きつけられる。回路設計はパラメータを満たす具体的な回路網を考えるという逆問題であるが、損失のある回路ではそのための代数公式は存在しないということである。任意の追加制約を与える創意工夫によってのみ要件を満たす回路が得られるということになる。なんだ回路設計ってそういうことだったのか(´∀` ) ではLattice Networkであると仮定して、無理矢理解くにはどうすればいいか。最初の分母と分子の多項式に分解して解析した関係式を良く見ると、 という関係が成り立ち、2つの分子の式をどう決めるかが課題として残ることになる。N1(s)N2(s),N3(s)N4(s)を2つの未知数としても独立した方程式は1つしか無いのでやはり解けない。 様々なケースが考えられる。 とすると すなわち しかしこれだと何も状況は改善せず 途中で負の係数が出現するので受動素子回路としては実現できない。もともとリアクタンス回路ではないことが判っているので、Foster展開もCauer展開もできなくて当たり前である。上の式は単に最初に部分分数展開を試みた際の式を2で割っただけに過ぎないので負の係数が出てくること自体は変わらない。 従って という制約が加わることになる。 また同様の理由から という制約も加わる。 今躓いている問題をs=10として自然数に関する問題に言い換えると を満たすような自然数N1,N2,N3,N4,D1,D2,D3,D4の組み合わせは何か? ということと似ている。Ramanujanなら即座に答えたかもしれない。どうすんだこれ(;´Д`) まずはこれが数学的に何なのかを知らないといけない。 まったく知らなかったのだが、これは不定方程式、もしくはディオファントス方程式(Diophantine equation)というらしい。整数係数と複数変数のべき乗の積の総和で表された独立方程式が変数の数よりも少ないもの。 ドイツの数学者Hilbertが数学上の重要な未解決問題のひとつにディオファントス方程式の一般解法を上げたことで知られている。その後数学者によって一般解法は存在しないという否定的な証明がされて解決したらしい。つまりどんな問題にも適用できる万能な公式というのが無いということ。つまり解があるかどうか判定する万能な方法は無いし、解があることが判っていても、ただ一つだけ存在するのか、複数存在するのかも問題によってケースバイケースということになる。 ディオファントス方程式には簡単そうで360年の間多くの数学者を奈落の底に陥れてきたフェルマーの最終定理も含まれる。 「3以上の自然数nについて、 フェルマーは古代ギリシャの数学者ディオファントスが書いた数学書である「Arithmetica」のラテン語訳本を読みながら得たいくつもの発想を本の余白に書き残していたが、最後まで未解決だったのがフェルマーの最終定理と呼ばれていた。1995年にA. Wilesによって証明された論文が出版され、フェルマー・ワイルズの定理と認められて長い歴史にピリオドを打った。 8変数の不定方程式問題にまともに挑むと深みに入りそうなんだが(;´Д`) 解の元が整数体に限定した上の簡略化した問題であれば、NP完全問題なのでそれぞれの変数に1から順番に以下の条件を満たす有限の組み合わせをすべて代入してみて方程式を満たす組を見つける計算機プログラムを書いて終了するまでぶん回せば解は得られるが、本来の解とは違う無数の解も含まれてしまう。 本来の問題は解が正の実数を係数とする多項式であるので、代数多様体上の有理点を求める問題に拡大して解く必要がある。もうこれはまだ数学では未解決の分野で今も研究されているところである。素人が入り込むのは道が遠すぎる。 一応著者の解答から解はあることは確かなんだけどね。それ以外に解があるかどうかを調べようとすると戻ってこれない気がしてならない。賢明な読者の課題としよう(´∀` ) 著者はどうやって求めたかは謎だが という解を得ている。 この解に基づいて展開すると ということになる。途中の部分分数展開で負の留数が現れるが定数項と合わせて再展開すると消える。 従って回路は ということになる。 この問題は回路網理論が数学の代数理論とつながっていることを初めて気づかせてくれる。これを機会に従来ちんぷんかんぷんだった抽象代数理論に踏み込むきっかけを与えてくれた。先の不定方程式の問題はまさに代数理論そのものである。数値を代入してしまえば、最終的には数なのだけども、記号式の表現では数ではないので代数学的には変数と呼ばず不定元というらしい。その方が確かに適切である。これを機会に買い貯めてある代数学の入門書を読むことにしよう。 なんだこれは。これも有理形関数である。nが正の場合には分子の次数が分母の次数よりn大きく、分母の多項式は単位元(1)となる。逆にnが負の場合には、分母の次数が分子の次数よりn大きく、分子の多項式は単位元(1)と係数の積で表される定数となる。n=0の場合には、分子と分母の次数は等しく0となり、関数は定数となる。 また正実関数であるためには分子の分母の次数の差が1以下でなければならないので、|n|>1の場合には正実関数とならない。従って nが1の場合 nが0の場合 nが-1の場合 ということになる。回路図で表すと ということになる。 最後に出たな双曲線関数。双曲線関数は昔直流回路の演習問題で有限の抵抗ラダー回路とかでいきなり登場して酷い目にあったのが記憶に新しい。物理的にどんな意味を持つかはさしあたり置いておいて、正実関数であるかどうか確かめることにしよう。 s=σ+jωに置き換えると三角関数、指数関数、双曲線関数の間の関係より 従って の時 ということになり正実関数である。特異点がs平面上の虚軸上か左半面にのみ存在することからも条件を満たす。 問題はこの駆動点イミタンス関数が物理的にどういう回路かという点である。 とすると駆動点インピーダンスの式は ということになり、これは奇関数でωの値によって容量性か誘導性リアクタンスのいずれかとなり、また に極を持ち に零点を持つ。 インピーダンスの絶対値をωでプロットしてみると ![]() という典型的なリアクタンス回路の周波数特性を持っている。 インピーダンス関数として見ると、直流的にはオープン回路。交流的にはLC並列回路に似ている。アドミッタンス関数として見ると、直流的には短絡回路、交流的にはLC直列回路に似ている。 まるでなぞなぞである。 著者の解答は予め答えを知っている者の解答であって、本当に解いた結果ではない。まるで明日の天皇賞の勝ち馬を予想しろという問いに対して、明日の結果を知っている人が正解を書いているようなものでナンセンスである。ゼロ知識から結論を導くべきではないだろうか? ω=0としてσ≠0の場合をみてみよう。 ということになり、σ=0に極を持ち、σ=∞で定抵抗回路となる。(一部訂正 2010/3/1) σ=0は直流回路の定常状態だが。σ=∞は実験室では作りだせないが定抵抗回路になるという点は面白い。 この関数が物理的にどんな回路を構成するかは、今までのやり方だと部分分数に展開する必要がある。しかし式が整式ではなく双曲線関数だと展開ができない。従って、一端双曲線関数を級数に展開してみてはどうだろうか? (2010/3/3訂正) 先に解析した通り、この関数の極は 零点は ということになる。 試しに50次まで展開してインピーダンスの絶対値をωでプロットしてみると ![]() 同じだということがわかる。 従って、 同様にアドミッタンス関数として見ると ということになる。 回路図に表すと ということになる。ふう大変だったよママン(ノ∀`) インピーダンス関数としてみると、キャパシタC0、それに極に対応した共振点を持つイLC並列接続が直列につながっているとみなすことができる。直流(ω=0)と反共振点(ω=π,2π,3π,...)ではインピーダンスは無限大になることがわかる。それ以外の周波数では有限な値をとり、直列共振点(ω=π/2,3π/2,5π/2,...)は関数の零点で定抵抗回路となることがわかる。 アドミッタンス関数としてみた場合、インダクタンスL0、それに無数のLC直列回路が並列に接続されているとみなすことができる。双対的に直流(ω=0)と共振点(ω=π,2π,3π,...)でアドミッタンスが無限大の短絡状態となり、それ以外の周波数では有限な値をとり、反共振点(ω=π/2,3π/2,5π/2,...)は関数の零点でアドミッタンス0の定抵抗回路となることがわかる。 これも解のひとつだが、無限個のLC回路が一点集中して存在する回路というのは現実的ではない。次数を有限にして低い角周波数領域で近似な動作をする回路を実現するのには使えるかもしれない。しかしキャパシタンスやインダクタンスの定数をどうするかが課題として残る。 留数計算にロピタルの定理を使うことで定数の値がようやく明らかになった。それによって以下の事実が明らかになる。 回路の総インダクタンスは有限値だということ。それとω=0の時の回路の総キャパシタンスも有限値だということ。これは回路規模が有界であることを意味する。ここでζ(2)はRiemannのζ関数である。 上記はFoster展開によるものだが、Cauer展開するとどうなるだろう? coth(s)を連分数展開すればいいわけだが、部分分数展開はまだしも連分数展開となると今ではそもそも学校では教わることもないのでそのものズバリを見つけることは難しい。三角関数のtan(x)の連分数展開ならば数学史の中で出てくる。近代になってブルバキの数学的文化大革命で古典的なものとして再構成された数学原論体系から外された。なので現代に至っても19世紀の姿のまま残されている分野である。 Cauerが連分数に出会ったのは、連分数の解析理論の父と呼ばれるオランダの数学者Stieltjesの著書であった。Stieltjesは学生時代に授業そっちのけで大数学者GaussやJacobiの著書を読むのに没頭してしまい落第を繰り返して卒業できず、天文台の助手として職を得てそこで数学者Hermiteと運命的に出会うことによって数学者になった面白い人である。 話をもとに戻そう。 Stieltjesが図書館で読みふけったGaussの論文集にGauss's continued fractionを見いだしたに違いない。Gaussは以下のような展開式を示したものの収束に関する厳密な証明は提供しなかった。ちゃんと証明されるのは20世紀に入ってすぐ浮世絵の収集家でも知られる数学者Vleckによってである。 Gaussに先立つこと18世紀に既にLambertが実数関数だがtanの連分数展開を円周率が無理数であることを証明するために用いている。解析接続によるtanとtanhの関係から一方から他方の式が得られるのは明らかである。 ここでcoth(s)=1/tanh(s)であるのを利用すれば連分数展開結果が容易に得られそうである。 回路図に表すと 想像だにしなかった回路が浮かび上がる。 アドミッタンス関数とした場合の連分数展開は 回路図にすると 上記の回路を有限段数で近似して低周波領域でプロットしてみると零点と極の値が元の式からプロットしたものと一致することが確かめることができる。結果は前出のプロットと同じなので割愛する。読者自身で確かめてみることをお勧めする。 しかしどうやったらゼロ知識ベースで著者の解にたどり着くのか不安になってきた。数学も工学もある方向から掘り下げれば簡単にたどり着く結論も、違う方向からだとどうやっても辿り付けない壁というものがある(馬鹿の壁とも言う)。日本独自の分布定数回路理論も元々はThomson(Kelvin卿)の海底ケーブル線路モデル(RC分布定数回路)にインスパイアされたHeavisideの電信方程式(Telegrapher's Equation)が無ければ生まれなかった。Maxwellの電磁気理論で突破しようとすると分厚い壁がある。それと同じでリアクタンス回路理論をどうこねくり回しても分布定数回路理論にはたどり着けないのかもしれない。 数学史を探らなくても最初に導いた有理多項式を最も次数の低い項から繰り出して連分数展開することによって同じ結果が得られる 既にリアクタンス関数のCauer展開の理論で学んだ通り、次数の最も高い項から繰り出して行くともうひとつの形(Z(s)とY(s)それぞれに対する逆回路)が得られるはずである。しかし以前に学んだ時は有限次数の多項式であったが、今回は無限次数の多項式となり最高次の項というのが定まらないという問題がある。この点はさすがにどの参考書でも扱っていない。 nを十分大きな値とすると、以下の様なLCラダー回路で構成される。 無限ラダー回路だとn→∞ですべてのキャパシタンスが最終的に0になってしまうことになる。これは明らかに矛盾する。どっか間違えたのかも。 もうこの問題はこのくらいにしよう(´д` ) L3の式の展開は読者の課題としよう。 いずれ分布定数回路が出てきたときにまだ憶えていたら蒸し返すということに。 この問題これにて一端ピリオド。 P.S coth(s)の部分分数展開の誤りを我流のやり方で正したものの、留数に相当する係数式に無限乗積表記が残ってしまってさて収束するのかどうか、収束するなら値は何になるのかと課題が残ってしまった。解析学をおさらいせねばならぬとWHITTAKER & WATSON著"MODERN ANALYSIS"にある"THE EXPANSION OF FUNCTIONS IN INFINITE SERIES"章を精読してみたら驚愕の事実が発覚。なんと例題としてcothの部分分数展開式がずばり出ていた。 これを見て我流でも間違ってはいなかったけれども詰めが甘かったなと反省しきり。しかしどうやったらこの結果が得られるかは自分で証明してみなさいということなので答えは載っていない。いくつか方法はあることは以前から想像はついている(留数定理を使う方法とか)が面倒なのでやってなかったのだ。この展開式によると留数はすべて1(複素共役根に展開した場合)ということになる。ううむ、自分で考えてみよう。 ようやく上記の問いには我流で答えることができたものの新たな疑問が生まれる。「それではインダクタンスやキャパシタンスは何で定まるか?」この問いに電気回路理論は答えてくれない。電気回路理論ははじめに抵抗、インダクタンス、キャパシタンスありきである。それに答えるのは電磁気理論ということになる。この問題の最後の設問(9)は電気回路理論と電磁気理論との間のミッシングリンクへ招待してくれるものだということが判る。これらの2つの理論の間の辻褄を合わせるのに19世紀から様々な努力がなされてきたわけである。そう簡単に理解できてたまるか。 ドイツの数学者Hilbertはかつて代数体と整数論を研究しようとしていた高木貞治に「それでは代数関数は何で定まるか?」と試したそうである。高木が答えを言う前に「それはRiemann面で定まる」と自答したという話が発端となる面白いエピソードが「近代数学史談」に興味深く書かれている。上の問いはその話からインスパイアされたものであることは言うまでもない。 (部分分数への展開の誤りを訂正 2010/3/1) (留数の計算方法を変更 2010/3/13) |
webadm | 投稿日時: 2010-3-30 9:20 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【7】正実関数 前の問題で2ヶ月もかかったしまったが続きをやろう。アルバイトに精を出していたというのもあるけど、最後の設問に見事に嵌ってしまった。それでも誰からも忘れ去られていた問題があるのを見つけた気がする。
次ぎの問題も正実関数に関するもの。以下の3つの有理関数が正実関数である条件を求めよというもの。 s=-2に零点(重根)、s=-xに極を持つ有理関数。正実関数の性質として複素平面の右半面に特異点を持たないということから、 でなければならないことは自明である。ただしこれは必要条件であって十分条件ではない。 正実関数とはとどのつまり受動素子(R/C/L)だけで回路が合成できるということなので、部分分数に展開(Foster展開)してみればわかるはず。 従って係数が正の実数であるためには を満たせば十分である、先の必要条件と併せて ということになる。 実はこれでは十分ではない。 上記の実数部に関して確かめられていないからである。 s=jωを代入して実数部だけを得ると ということになる。 従って問題の関数が正実関数であるためのxの必要十分条件は分母を取り払って整理すると と書き換えることができ、上記を満たすには でなければならない。従って ということになる。 前の設問は零点のみが重根を有していたが、今度は極も重根を持つ。Foster展開すると 従って正実関数であるためには 従って ということになる。 これは著者の解とはだいぶ異なっている なるほど(1)と違って、第一項と第三項の実数バイアスがあるので第二項の実数部が負になっても有る程度までなら正実関数の条件を満たすので上の条件は十分条件ではないことは明らかである。ではいくつまでなら許されるか。 以前にインピーダンスのベクトル軌跡を描いた要領でs=jωとしてωを0から∞に変化させた場合の軌跡を描いてみれば軌跡が左半面にはみ出さないxの範囲が見極められそうではある。 第一項は実定数なので自明。第二項は直線を描くx+jωの逆数なので円を描くことがわかる。第三項は円に良く似た心臓形を描く。第三項の単体ベクトル軌跡をx=4で描くと ![]() ωが無限遠点に近づくと左半面回りで原点に収束するのがわかる。 一方関数全体をx=4としてベクトル軌跡をプロットしてみると第三項の影響で少し歪んだ円となる。 ![]() もう少し左に寄って大丈夫(円の直径を大きくできる)なのがわかる。 一方x=1とするとベクトル軌跡は実軸の1に垂直な線を境に鏡で映したように正反対側に円を描く。 ![]() xが2より小さい場合実軸の1より右側に円を描き2に近づくにつれ円がしぼみやがて定抵抗(Z=1)となる。xが2を超えると実軸の1より左側に円を描くようになる。 これらの観点からs=jωとして展開してみると (2010/4/5 展開の誤りを訂正) が成り立つxを求める不等式の解を求める問題に帰着する。∀ωは「すべてのωに対して」を論理学的に表したものである。数学的に解くとまず上記を満たすxが存在するかどうか判定証明しないといけないが、存在するのは上記検討結果から自明なので、後は解かどのような集合からなるか調べるだけとなる。 こうして考えると前の設問(1)も簡単なケースの同種問題である。 著者の解はどうにも見通しが悪くて未だにどうやって導きだしたのか理解できない式が使われているので納得いかない。もはや我流で納得の行く方法で解くしない。 上の条件式を見るとx=0は条件を満たさないことが判明する。 視覚的に関数を3Dグラフでプロットしてみると (x,ω)=(0,0)は極になるのでその領域を避けて、その近傍の関数平面をプロットしてみたものである。黒い領域が負の値を取り正実関数とならない領域である。 上記の式のxに関する積分関数を考え、すべてのωに関して単調増加関数となるxの範囲を求めることと言い換えても良い。 益々判らなくなってきた。 とりあえず高次不等式の解法の基本に立ち戻って考えてみよう。 先の条件式に分母の最小公倍数を乗じて分母を取り払うと と書き換えることができる。すなわち、 という2つのケースに分かれるということが判明する。それぞれの条件式がωとxの関数である点が問題をややこしくしている。 更に条件式を操作すると 更に整理すると どうやら見えてきた( ̄ー ̄)ニヤリ 上の条件式において であることから問題の関数が正実関数となるxは を満たすことが必要十分条件ということになる。 更に操作を行うと ということになり、最後の条件を満たすxのみが解の集合として存在する。 xの二次式をグラフに描いてみると ![]() 従って問題の関数が正実関数となるxの範囲は ということになる。 なんだ簡単じゃないか(´∀` ) 確認のためにxの上下限値で問題の関数をプロットしてみると ![]() ![]() どちらも右半面にのみに写像されるので正実関数であることは明らか。 著者の解答よりもはるかに見通しがすっきりして満足の行く結果が得られた。 最後は似たような式だが次数が10と大きい。(2)では次数は高々2次で、2次式に分解できたのですべての項を展開しても可能だったが10次となるとその限界を超えている。そろそろ一般化して扱う必要がある。 従って問題の関数が正実関数であるためには を満たす必要がある。すなわち ということになる。 問題のケースではn=10なので、 ということになる。非常に狭い値の範囲であることが判る。 条件式を3Dグラフでプロットしてみるとそのことが確認できる。 条件式関数の零点であるx=1の前後限られた範囲のみが条件を満たすように見える。さて、その範囲をどうやって導出するかが問題だ。 上の条件式からこの問題は以下の不等式を解く問題であることに帰着する とりあえず最初の条件を2つの不等式に分けて各個撃破することにしよう。 最初の式の分母を払うと どうやら見えてきた( ̄ー ̄)ニヤリ 上の条件式において なので という条件に帰着する。xに関する二次不等式として解けば良い すなわち を満たすことが必要十分条件ということになる。 従って という2つのケースとなる。 題意よりtan(π/20)=0.158を代入すると ということになり、第一の条件を満たすxのみが解の集合として存在し第二の条件を満たすxの解の集合は存在しない(もしくは空集合しか存在しない)ことが明らか。 グラフにプロットしてみるとはっきりわかる ![]() 従って問題の関数が正実関数となる必要十分条件は ということになる。 ふう始めてから10日もかかってしまった。学生なら落第確定。独学だから納得が行くまで出来る。 この問題終わり。 P.S 不等式を解くなんて学生の時以来だ。金融とか保険とかファイナンス数学では必須なんだけど工学ではめったに使わない。もしくは不等式を解かなければならない問題はめったに扱わなかったということか。今見ると集合の考え方を知っているとだいぶ見通しが良い。受験講座とかだとその当たりは曖昧にしたまま解法パターンの暗記を強要している。こういうことがことごとく数学の素養の芽を摘んでいる諸悪の根元ではなかろうか。受験数学は数学じゃないだな。 |
webadm | 投稿日時: 2010-4-11 1:24 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【8】続:正実関数 前問に引き続き次ぎも正実関数に関する問題。もうね、いくらでもかかってきなさいと。
前問では分母の実数係数に関して正実関数となる条件を問題にしていたが、今度は分子を含めてすべての実数係数に範囲が拡大している。 これは前問では分子の式で定数になっていたところが不定元bに、分母のxが不定元aに一般化されたものと捉えることができる。 s=jωと置いて実数部を展開してみると ここでa,bは正の実数であるので問題の関数の実数部がすべてのωに対して正の値をとるためには を満たす必要がある。すなわち という条件で問題の関数は正実関数となる。 今度は分子が二次の多項式になっている。a,b,cはそれぞれ正の実数をとる不定元である。 s=jωで置き換えて実数部を抜き出すと 上記を満たすための必要条件は a,b,cはいずれも正の実数であるので、必要十分条件は ということになる。 今度は分母が二次の多項式。 同様に実数部を求めてみると 従って上の条件を満たす必要条件は 従ってa,b,c,dは正の実数なので必要十分条件は ということになる。 P.S 最後の設問で問題文の分子の式を二のべき乗だと勘違いして条件が複雑になって悩んだのは内緒だ。 |
webadm | 投稿日時: 2010-4-13 10:40 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
【9】続々:正実関数 次ぎも正実関数に関する問題。今度は定数付きの回路図が示されており、それが受動素子(正の定数)のみで実現できるならそれを示せというもの。
これまでの問題でもリアクタンス関数以外では正実関数でありながらもFoster展開するために部分分数展開すると負の係数が分子に現れるという例を目にしてきた。もちろん正実関数でなければ受動素子では実現できないので、これも結局は駆動点インピーダンス関数が正実関数かどうか判定する問題に帰着する。 上記回路の駆動点インピーダンス関数を導出してみると ということになり正実関数で以下の様な受動素子回路で実現できる。 逆に言えば、上図の様な受動素子回路と等価な機能を持った回路が能動素子(真空管やトランジスタ)を使っても実現できるということを意味する。 上記回路の駆動点インピーダンス関数を導出してみると 従って右半面上に特異点を持つため問題の駆動点インピーダンス関数は正実関数ではない。従って受動素子のみでは実現できない。 P.S Oliver Heavisideは生前に既に負の抵抗に言及していたらしい。もちろん複素数で考えれば実数部に負の定数が現れる。まだ真空管も発明されていない時代にそうした自由な考え方があったのは驚きである。真空管やトランジスタのような能動素子は共通して相互コンダクタンス(gm)という負性抵抗を持つ。受動素子からなる回路は伝達関数が正実関数であるので常に安定した応答特性を持つが、能動素子(負性抵抗)を伴う回路は必ずしも安定ではなく、正実関数でない伝達関数を持つ回路は条件によって自己増大振動(発振)を起こす。真空管の登場によってそれまで高周波を発生させるためにダイナモ(発電機)を必要としていたのが、自己発振回路で置き換えが可能になった。これが無線通信を飛躍的に発展させた。 |
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