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webadm | 投稿日時: 2006-12-26 11:09 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
高周波の思い出 中学生の頃から真空管を使っていろいろな回路を自分なりに研究したり考えたりしてこしらえていた。
白黒TVからとった真空管を使って中波の送信機を作った時にさすがに実際にアンテナを張るわけにもいかず(波長が長いのと局免許も無いので電波法違反になる)、しかたなくダミーロードをつないで送信出力の確認だけした。 白熱電球をつなぐとぼんやり明るく点灯した。数ワットの出力は出ていることが確かめられた。 おもしろいのでいろんな負荷をつないでみた。同級生の友達からもらった車のフォグランプをつないでみた。煌々と輝いて焼き切れてしまった。ところがそのとき見たのは、普通なら中のフィラメントが焼き切れて断線したらフィラメントには電流は流れないはずなのでランプは消えるはず。 しかし切れたフォグランプのフィラメントは片方まだつながっているだけなのに煌々と輝いていた。高周波電流の仕業である。 まだこのころは何故そうなるのか説明することはできなかったが、事実は曲げることができない。 他にも部屋の蛍光灯をはずして片方の端子だけつないでみた。すると蛍光灯全体が明るく光り続けるではないか。片側は開放状態で何もつながっていないのに。しかもヒーターは熱していない。通常蛍光灯はヒーターを熱してないと商用電源では発光を開始させることができない。 不思議な実験だった。今までの常識を覆す観測事実をつきつけられた。 今では液晶ディスプレイに使われている冷陰極線管がちょうどその実験と同じ原理に基づく。私の実験では数百kHzだったが、実際はもっと低い数十kHzでも可能だ。電源の周波数が低くなるとだんだんと発光させるのに冷陰極のままでは難しくなり蛍光灯のように熱陰極の力をかりないといけない。 高周波の不思議は閉回路でなくてもまるで激しく電流が流れているのと同じ事が起きるということである。蛍光灯はその典型であるが、フィラメントが片側切れた電球でもちゃんとフィラメントを発光するまで熱することができるのも高周波電流の威力である。 先日レストランの隣の席で電気工事屋さんが会話していた中に、閉回路を構成しなければ感電することはないという話。50-60Hzの低周波の交流ではほとんど直流と同じように確かに閉回路を構成しなければその一旦に人間が触れても電流は流れないので感電しないと言える。鳥とかが送電線の一本に止まっていても感電死しないのはそのためである。人間の場合は凧とか引っかけて、接地してある方の一本と閉回路を構成して感電死する。しかし高周波電源の場合はその常識が通用しない。閉回路を構成しなくても高周波電流によって放電が生じる。 同じように閉回路を構成しなくても電流が流れているのと一緒の現象が起きるのに高周波電流放電がある。TVのブラウン管のアノードには水平出力回路からの高い電圧の高周波電源が供給されている。二極管で整流されているが高周波の脈流であることは変わりない。ブラウン管の表面を覆っているグラファイトのグランドとの間でコンデンサを構成し平滑されて電子銃から放出される電子を加速する役割を果たしている。カラーTV用のブラウン管は更に輝度を高める必要から白黒TVの倍の電位が必要である。 そうしたアノード端子に絶縁されたドライバーとかを近づけると手は感電しないがドライバーの金属の先端には高周波電流特有の気まぐれな放電が発生することを見ることが出来る。 昔NHKだかが高周波放電と高電圧放電の違いを実験で見せてくれた時があった。高電圧放電は雷みたいに高い電圧を空気中に置かれた電極にかけて電圧を上げていくとある時点で放電(絶縁破壊)するというもの。この場合雷と同じで電流の流れやすい場所を電流が一気に流れる。それに対して高周波放電は絶え間なく何かを探しているようにあちこちまんべんなく移動しながら放電する。どこで放電するかは予想が付けにくい。 高周波放電と直流(低周波)高圧放電の違いは電流の流れ方の違いでもあるというのは後から知ることになる。それまで説明がつかなかった。 直流の場合は電子のシャワーが一斉になだれを起こすということで説明できるが、高周波の場合は、なだれ込む回路が無いのだから説明がつかない。なにせ高周波電源に近い場所にあれば導体であれ絶縁体であれ放電を起こす。絶縁体は絶縁破壊しない限り電流は流れないはずであるが放電は起こる。 蛍光灯の実験がちょうど良い。片側が開放状態でどこともつながっていないのにまるで蛍光灯内部に交流電流が流れているかのように全体が良く光る。フォグランプも片側が断線していてもフィラメント全体が白熱する。 いったいどんなふうに電流が流れて発光、発熱しているのか。 それがなんとなく理解できるたのは最近の事である。 蛍光灯の実験を思い出すと宇宙が生まれた頃にはちょうど光輝く蛍光灯の中のような状態があったということを思い出す。 本当のところは物理学や天文学の世界が統一されるような理論の発見を待つ必要があるのかもしれない。 |
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