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webadm
投稿日時: 2008-5-12 21:31
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3107
エスカレーター事故に思う
また技術者にとって無視できない不快な事故報道が。

オーチス製のエスカレーターの動力部分を固定するボルトがすべて破断してエスカレーターが逆方向に動いて乗って人が全員雪崩のように滑り落ちたというもの。

どうやら事故以前に固定ボルトの一部は点検時に折れているのが確認されていたが修理不能ということでそのまま放置されていたらしい。

常識的に考えれば、機構設計時に例え一本のボルトが折れても十分耐えられるように考慮されているので、点検時に折れているのがわかってもしばらくは大丈夫だろうとそのままにしたと思われる。

機械部品を固定するボルトは何本あったとしてもすべてのボルトに平均して荷重がかかるわけではない。これは技術者なら誰でも知っていること。最悪どこか一本で荷重を支えている状態すらあり得る。一本目が折れたのはおそらくそういうケースだったのだろうと想像される。そうすると残りのボルトのどれか一本でまた全荷重を支えるという状況になっていた可能性がある。そのボルトが折れるとまた残りのどれか一本で支え、それもまた折れるという連鎖が発生する。

ということは設計者が最初からそうしたケースを考慮してボルトを設計していなかった可能性が考えられる。単純に4本のボルトで固定するからそれぞれの荷重は1/4と想定していたら重大な設計ミスである。

技術の伝承がされていないために知識と経験の無い若い設計者が設計したとしか考えられない。そう考えないとあり得ない事故である。

こういうことが続くと、人命に関わる機械はすべて第三者機関の設計審査を通らないと販売できないという制度を作らないといけなくなるかもしれない。また天下り組織が沢山できることになる。

嘆かわしいことだ。
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